
2026年、台湾の台中市にある『大新生殖医療センター』の院長・陳志宏先生と生殖センター長・呉宜玲さんが、大阪での卵子提供説明会のため来日されるとうかがい、取材に行ってきました。台湾では、2007年に人工生殖法が制定され、卵子提供も法律に基づき国が運営しています。一方日本では、生殖補助医療の法整備が進まず、第三者から提供された卵子や精子、胚での生殖補助医療は自主規制を行っている状況のため、2022年にART治療に健康保険が適用されるようになった今も、海外でのドナー治療を選択するご夫婦が増える傾向にあります。

院長の陳志宏先生、『大新生殖医療センター』は台湾にある数多くの生殖センターの中で、現在海外、特に日本からの患者さまをたくさん受け入れておられますが、日本の患者さまにとってどのような独自の強みがあるのか、ご紹介いただけますでしょうか。
陳院長「まず最初に、台湾というと日本の方は、まず最初に台北を想像されることが多いと思いますが、私たちのクリニックは中部に位置する都市、台中にあります。台中は、台湾の人々が選ぶ『住みたい都市・最も住みやすい都市』で常に1位に選ばれ、人口も年々増加し、いまでは280万人を超えて、台湾第二の都市となっています。
そして、台湾で国際的な医療を提供しているクリニックの中で、私たち『大新生殖医療センター』は2018年と比較的早くに日本からの患者さまも治療の受け入れをはじめました。翌年の2019年には、日本を含む海外の患者さまの医療サービス・体制が評価され、台湾のすべての医療機関のなかで国際医療において第1位の評価をいただくことができました。
そうした実績もあり当院は国際医療機関として登録され、コロナ禍に渡航制限がかかっているときでも例外的に医療ビザの申請が認められる医療機関となりました。そして、コロナ禍後半の入国再開前の段階から日本の患者さまも移植の受け入れをすることができ、医療を提供することができました。
当院では、日本の患者さまから日々寄せられるご相談に対して、おひとりおひとりとのコミュニケーションを大切にしています。そして、患者さまの事情や背景を把握しながら、診察はもちろん行政手続きまで一貫して、日本人スタッフもしくは日本語の話せる通訳スタッフがサポートをしています。
最先端の医療設備や高度な医療技術はもちろんのこと、こうした人間的な体制で患者さまが安心して治療を受けられることが、国からの高い評価にも繋がっています。
子どもを授かりたいと願う多くの患者さまに治療を受けに来ていただいていますが、私たちは、彼女たちの願いである、母親になるということをこれまで数多く叶えてきました。年齢が高いこと自体は赤ちゃんを諦めるファクターではないのです。台湾をはじめ、海外では、卵子提供という治療が一般的に認知されているものの、不妊治療を続ける日本のご夫婦の多くが、卵子提供という最終的な治療をあまりご存知でないことも知りました。私たちは、実際に出会ってきた彼女たちの痛みに心から共感し、自分ごとのように受け止めて、患者さまと一緒に未来をみて治療をおこなっています。国籍を問わず、私たちは世界中の助けを必要としている患者さまが夢を叶えられるよう支援したいと考えています」

これまでに大変多くの日本の患者さまが、『大新生殖医療センター』を訪れる魅力に「医師と患者がまるで仲間のような関係を築けるところ」「患者さまが諦めない限り、大新のスタッフ全員諦めないところ」があると、貴院の卵子提供サイトに掲載されていた患者さまからの生の声を読んでいて感じました。そのような貴院の姿勢が感じられる、日本からの患者さまとのエピソードがあれば、お聞かせいただけますか?
陳院長「60歳の方のエピソードがあります。この方はハワイでも卵子提供を受け、タイでも受け、台湾の他のクリニックでも卵子提供を受けた経験がありました。当院にこられた時には、すでに60歳になっておられましたが、それでも自分の母親、つまりおばあちゃんに孫を抱かせてあげたいと強く願っていました。彼女は、決して諦めることなく何度も挑戦し続けました。2回続けて移植が失敗したこともありましたが、結果が出なくても彼女は、 “なんとか目的が達成できるように、また移植できるように、もう少しがんばりましょう”と、逆に彼女の方から私たちを励ましてくれたのです。このような関係性は、とても素晴らしいと感じました。その彼女がついに妊娠され、現在、妊娠20週を迎えておられます。出産時には61歳、当院でも最高齢になります。彼女は、妊娠した今でも定期的に国際電話を担当のケアマネージャーにかけてきてくれるんです。もはやクリニックにとって、大切な友人のような方です」
陳先生の謙虚でご誠実なお人柄を感じさせるお話ですね。たくさんのクリニックでの治療を経験された方だからこそ、『大新生殖医療センター』の温かさに特別なものをお感じになったのだと思います。

患者さまの諦めない思いに寄り添う姿勢も、ひしひしと伝わりましたが、胚培養士である呉生殖センター長にも忘れられない体験があるそうですね。
呉生殖センター長「イギリス人と日本人のご夫婦がいらっしゃいました。彼らはアメリカやイギリスで体外受精を行っていました。でも、ご主人が重度の男性不妊だったので、どの病院でも匙を投げられて諦めるよう宣告されていました。そして最後の最後に、台湾の私どものところで試してみようと思われたのです。
重度の男性不妊という状態でしたので、ドナーさんの採卵日に合わせてご主人には新鮮な精子を採っていただくことにしました。ですが、採精できずに、最終的に『PESE(皮的精巣上体精子吸引術)』をすることになりました。ところが精巣内にも精子が見つからない状況でしたので、それよりも前の初診時に凍結保存してあったものを解凍してみたのですが…、まったく動きがない状態になっていました。その日、私たちは、そのようなショッキングな事態に直面しましたが、絶対に諦めませんでした。なぜなら、これがこのご家族にとって唯一の、最後の希望が目の前にあると思っていたからです。精子はもう動かなくなっていましたが、私は朝から夕方の4時か5時までずっと粘り強く探し続けました。運動している精子はいませんでしたが、私は生きている可能性があると判断したものを見つけ次第、すぐに顕微授精を行いました。最終的に見つかったのは、たった4匹だけでした。そしてそれが受精し、胚が3つできました。そこから2つを移植し…、彼女は妊娠したのです!
その後、彼は大きな箱いっぱいのクッキーを送ってくれました。そしてハーフの赤ちゃんの写真を私に送ってくれました。彼は“本当に感謝しています。イギリスでもアメリカでもあらゆる不妊治療医から見放されていたのに、まさか台湾のこのクリニックで成功するとは思ってもみませんでした”と言っていました。私たちも、奥様は卵子が採れず、ご主人は精子がないという、あらゆる希望が絶たれた状態に直面している彼らの気持ちに寄り添うことができました。最終的に、精子が動かない状態であっても、それでも生きている精子をどうにかして見つけ出そうと努めました。私たちは決して諦めず、彼らの家庭を築くという夢を叶えることができたのです」

今、卵子提供という選択肢に最後の希望を託すべきか悩んでいる日本の患者さまに向けてメッセージをいただけますでしょうか?
呉生殖センター長「海外医療、国際医療においては、渡航の面でも、言葉の面でも、ご負担や不安も多いと思いますが、卵子提供はお二人の夢を叶える道の一つであることは確かです。“常に患者さまの側に立っていたい”という気持ちと覚悟で、お手伝いをさせていただきたいと思っています。
お忙しい患者さまのためオンラインのカウンセリングも行っています。それでも、私たちが年に3〜4回、日本で説明会を開かせていただいているのも、直接、対面でご相談いただくことで、少しでも日本のみなさまに安心をお届けしたいと考えているからなのです」
陳院長「私たちには、日本のみなさまの願いを叶える準備が整っています。本当に困っておられる方々を助けることができるのであれば、多少の苦労があったとしても、それは結果的に大きな喜びに変わります。何度も不妊治療に失敗したご夫婦、先天的な病気により妊娠が難しいご夫婦にも、母になる夢、父になる夢を諦めないでほしいのです。わざわざ海外から飛行機に乗って来てくださるわけですから、私たちは彼女たちの夢をなんとしても叶えなければならないという信念を持っています。
医療を提供するうえで、その専門性の高さはもちろん大切ですが、行政サポートチームの手厚い尽力が必要不可欠だと感じています。
医療には国境はありません。私たちがココ(台湾)にいることで、彼女たちが夢を叶えるための手助けができればと願っています」
妊娠したら終わりではない、家族的なサポートが続くのが『大新生殖医療センター』。実際、クリニック主催で、ここでの治療が実を結んだ、ご夫妻とお子さんを招いての赤ちゃん里がえりイベントを、東京で開催されたことがあるそうです。同じ体験をされた方々同士の交流の場にもなり、とても喜ばれたそうです。

大新生殖医療センターは、台湾台中市に位置する生殖医療クリニックです。2013年に設立され、院長の陳志宏をはじめ、経験豊富な医療チームが特に、卵子提供や着床前診断、精子提供などを通して、日本のお客様の治療をサポートしています。
「大新」という言葉には、台湾語で「親密な、温かな」という意味があり、大新生殖医療センターという名前は、お客様に安心してお越しいただける場所、いつでも心温かさの感じられる場所へという思いが込められています。
不妊に関する悩みは一人一人異なります。
それぞれのお客様の状況を正確に理解し、想いに寄り添った治療計画を作成いたします。
台湾の国民健康福祉局が管轄する「2019年医療サービス国際化推進計画・第二次国際医療会員機構選抜」プログラムにおいて、全ての台湾の医療機関の中から第1位に選ばれました。
当院は台湾国内のお客様のみならず、日本、アメリカ、ヨーロッパ、そしてアジア各国から海外のお客様へ、卵子提供や着床前診断などを中心に医療をおこなっており、豊富な治療実績の高い評価をいただきました。
大新生殖医療センターは、主に卵子提供や着床前診断を通して不妊で悩むご夫婦のサポートを行っています。卵子提供においては、30歳以下のドナーから提供される新鮮な卵子を使用することで、高い成功率を実現しています。
新型コロナの入国規制撤廃後の2022年9月〜2026年7月の3年10ヶ月で、248組の日本のご夫婦の方々が新たに治療を開始されました。
奥様の年齢が40歳以上のご夫婦が全体の9割近くを占めています。
大新生殖医療センターは、日本人スタッフや日本語対応が可能なカウンセラーが常勤しており、日本人のお客様にも安心して治療を受けられる環境を提供しています。
全て日本語でのサポートを行っており、スムーズなご案内が可能となっています。
以下のフォームより院長の陳による卵子提供の解説動画、またZoomでのオンラインカウンセリングを受け付けています。

台湾の法律では卵子ドナーとなることができる年齢は39歳までですが、当院では「30歳以下の方」と制限をすることで妊娠の確率をさらに高めています。
さらにBMIは正常、タバコを吸わないということも独自規定を作り、学歴は大学以上となっています。
当院では応募される方の容姿を確認し、ドナー登録可否を定めています。当院の厳格な基準により審査通過率は約10%となっています。
上記の厳格な審査を通過したドナーの方は、現時点で100名以上が当院に登録されています。
ドナー登録には身長155cm以上という条件をつけていますが、これは遺伝性の原因で低身長となっている可能性を除外するためとしています。
卵子提供ドナーへの各種検査によって下記の項目が正常であることを確認します。
薬物使用者でないことを確認
血友病、色盲、喫煙状況、家族と本人の遺伝性疾患、家族と本人の精神疾患(発達障害含む)

私自身これまで長い間、不妊で悩む多くの方々に対する治療を行ってきました。そうした経験の中で感じるのは、子どもが欲しいと願っていても、それが叶わない方々が多くいらっしゃるということです。
年齢が若いときに仕事を優先すべきか、子どもを作るべきかという選択で悩んでいる人も多く、悩んでいるうちに年齢とともに卵巣機能が低下してしまうことも少なくありません。
そして、望んだときには妊娠しにくい身体になってしまっていることも多く、私たちは不妊で悩む方々のお役に立ちたいと考えています。
大新という言葉には、台湾語で「親密な、温かな」という意味があり、大新生殖医療センターと名前をつけました。
私たちは経験豊富な不妊治療技術と、温かな雰囲気の中でストレスなく相談ができることを大切にしています。
不妊に関する悩みは決して皆同じで一つということはありません。それぞれの方の不妊の状況を理解し、想いに寄り添った治療計画を作成します。
私たちは、台湾の女性の方々が提供をしてくださった卵子を大切に使用し、皆さまが元気な子どもを授かれるようお手伝いをさせていただきます。


台湾台中市南屯區大進街449號
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