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西村ウイメンズクリニック
院長 西村 満 先生

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インタビュー

「不妊治療専門クリニックとして開業して14年。
日祝でも、人工授精や採卵を行ってきました」

『西村ウイメンズクリニック』(静岡・浜松)の院長の西村満先生は、ベストなタイミングで人工授精(AIH)や体外受精のための採卵が行えるようにと、2000年の開院以来、お盆とお正月以外は、たとえ休診日であっても対応されてきたといいます。医師が複数在籍する施設であればシフトが組めますが、西村ウイメンズクリニックの医師は、2012年に副院長の尾崎智哉先生を迎えられるまで、院長お一人体制。不妊治療に心血注がれてきた真摯な姿勢には、患者さまからの厚い信頼を寄せられています。

個人に合わせたテーラーメイドの治療を提供。
一般不妊治療の7割が自然周期で妊娠されます

妊娠率だけを考えるならば、どのご夫婦に対しても体外受精などのARTを行うのが、一番、結果が早く出ます。それでも、西村ウイメンズクリニックでは“できれば自然に妊娠したい”というご夫婦の思いを大切にし、無理に急がせることはしないといいます。

「加齢による卵子の老化などから、妊娠が年齢的に厳しいことを知り、最初からARTを希望されるご夫婦の場合は別ですが、基本的には一通りの不妊検査をしっかり行ったうえで、問題が見つからなければ夫婦生活での自然妊娠を目指すタイミング療法からはじめます。タイミング療法は、患者さまにとって、より自然で負担の少ない治療方法ですが、結果を出すという点からいえば医療側が一組にかける時間は長くなり、手間ひまを惜しまない試行錯誤が必要になります。
 多くのご夫婦が望まれる、より自然な妊娠を目指して取り組んできた結果、開院から2013年12月までの約14年間で、一般不妊治療(タイミング療法と人工授精)の約7割が排卵誘発剤を用いない自然周期で妊娠されています(ホームページにて情報開示)。これは、排卵のタイミングを見極めるということが、いかに妊娠にとって重要かを示しているといえるでしょう。
 当院では、患者さまの負担を最小限にするためにステップアップ治療を行っていますが、治療が漫然となり時間を浪費することがないよう、クロミフェン製剤を使った周期は3〜5周期程度まで、人工授精の有効回数も妊娠例が伸び悩みはじめる5周期程度までと考え、いずれも結果が出ない場合には、次の治療段階が必要になってきていることをお伝えしています。とはいえ、その先の治療段階に進むかどうかはご夫婦の選択次第です。一見、同じような治療をし、同じようにステップアップしているようで、その内容や進め方は個々のケースで違います。いくら可能性を高めることでも、ご夫婦が望まれていないことまではしないよう、個々の患者さまの価値観を大切にテーラーメイドの治療を提供することが、西村ウイメンズクリニックが日々心がけていることです」

晩婚化が進む中、西村ウイメンズクリニックに通院される患者さまの年齢も年々、上がっているそう。その結果、開院当初は妊娠例の3分の2が一般不妊治療であったのが、最近では3分の1にまで減る傾向にあるとのことでした。不妊治療で病院に行くことはなかなかためらわれることですが、早い治療開始が、より自然な妊娠を可能にする一つのポイントであると思われます。


総合病院と連携した『オープンシステム』を利用し、必要に応じて手術療法も導入しています

個々の希望に応える中、手術療法が必要になるケースも少なくありません。静岡県浜松市では、地域の開業医と総合病院の連携による画期的な医療体制『オープンシステム』がとられています。日本の場合、クリニックに通院中の患者さまの手術が必要になった際には、通常、手術や入院の設備が整った病院への紹介状が書かれ、先方に患者さまを託すかたちがとられます。ところが、このオープンシステムを利用した場合、患者さまの経過をよく知るクリニックの担当医が、総合病院の手術室を借りることで、直接、執刀することができるのです。

「西村ウイメンズクリニックの場合、オープンシステムによって『聖隷浜松病院』の協力を得ています。手術が必要な患者さまがおられた場合には、尾崎副院長が出向いて、先方の担当医とともに執刀し、腹腔鏡下手術(ラパロ)で『子宮筋腫』を摘出したり、『子宮内膜症』の癒着をはがしたり、チョコレート嚢胞を摘出したり、『多嚢胞性卵巣(PCO)』に対して卵巣焼灼術(ドリリング)を行ったりしています。入院中のケアは、聖隷浜松病院側の担当医が行ってくださいます。
 例えば、ドリリングなどは、自然排卵が起こりやすくなったり、排卵誘発剤への反応性が高まったりするほか、PCOの方の卵の質を上げるケースもあるのです。ですから、一般不妊治療を続けるために、少しでも排卵しやすくなることを目的に受ける方だけでなく、当院では体外受精に進んだところ、たくさんの卵子は採れるものの質が良くないといった方も、質の向上を期待してドリリングを試されていて、一定の効果を得ています。多すぎる卵胞の数を制限することで、個々の質を高める効果があるのではないかと推察しています。
 このオープンシステムは、地域の開業医と総合病院の医師が、普段から本当によくコミュ二ケーションをとって信頼関係を築いていないと成立しないシステムだと思いますよ。大都会の東京や大阪では難しいでしょうね。全国的にも珍しいのではないかと思います」

浜松市のオープンシステムにより、手術療法の導入も積極的に行えることから、患者さまの選択肢は大きく広がっているといえるでしょう。しかも尾崎先生は、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定制度技術審査員でもあり、腹腔鏡下手術をたいへん得意とされていますから、西村ウイメンズクリニックの患者さまにとっては、さらに心強いですね。


初診の方はすべて、時間をかけて、不妊カウンセラーが話をうかがっています

『西村ウイメンズクリニック』が提唱する医療の個別化を、きめ細やかに行うために重要なのが、ご夫妻の思いのヒアリング。そこで大きく貢献されているのが、不妊カウンセラーの西村 啓子さんの存在です。

「完全予約制を採用していて、初診の方の受付は、たいへん申し訳ないのですが平日のみ、しかも人数を制限させていただいています。初診予約をお待たせすることがある分、すべての方に対して、不妊カウンセラーが十分に時間をさいて、状況やご希望の聞き取りをして問診票を作成し、医師は、その問診票をもとに診察をさせていただいています。普段、どのような悩みを抱えておられるのか、夫婦生活の問題など、初対面の男性医師には言いにくいことも、女性のカウンセラー相手であれば話してくださる方が多いので、意思疎通も診療もスムーズになります。
 また、この初診のヒアリングで、どのような段階までの治療を希望されているのかをうかがい、ご夫婦の価値観を、ある程度、把握するように努めています。もちろん、治療を続ける中で、当初は体外受精が視野になかったご夫婦のお考えが変わってきたりすることはよくあることですので、随時、お気持ちを確認はしていきます。
 また、通院中の方に対しては、不妊カウンセラーが無料で電話でのご相談にも対応しています。次の診察まで待てない不安が湧いてくること、どうしてもありますよね。“患者さまの不安を取り除くこと”、“治療の内容をよく理解して、納得して受けていただくこと”は、私たち西村ウイメンズクリニックが守ってきたポリシーですね」

医師が二人になった今も、不妊カウンセラーの方はお一人で、すべての患者さまと向き合っておられるそう。治療内容の理解を助け、ご夫婦がお二人らしい道を選べるよう、ともに考え、常にそばで見守ってくださる人の存在は、通院のストレスをずいぶんと軽くしてくれているに違いありません。


治療内容を理解したうえで受けて欲しいので、体外受精に進まれるご夫婦は不妊学級受講が必須

納得して治療を受けてもらうため、内容をしっかり理解してもらおうというクリニックの姿勢は、不妊学級の位置づけに表れています。

「よく理解して夫婦間の足並みをそろえて、治療にのぞんで欲しいという思いから、体外受精などのARTに進まれる方には、不妊学級を受講してもらうことを、治療を受けるための必須条件にしているんです。できる限り、ご夫婦で参加していただきます。ご夫婦の足並みがそろっていないと、治療の最大の成果は得にくいものですから。
 不妊学級のペースは、最低月1回、多くても2回。実は、ARTに進まれる方についても、この学級の開催回数によって、ある程度、人数をコントロールしています。初診や不妊学級で、患者さまの数を微調整するのは、限られたスタッフで対応している以上、必要。どんどんと患者さまを抱え込むことは、提供する医療の質を落とすことにつながると考えているからなんです。
 採卵は、ベストなタイミングを逃さないよう、お盆やお正月などの長期休み以外は、日曜日や祝日といった休診日でも対応しています。“不妊治療をやる医師は、日曜日に休んではいけない。そうでなければ、いい治療はできない”というのも、私の持論といいますか、こだわりですね。副院長を迎えるまでの12年間は、ずっと私一人で休みなく取り組んできました」

西村先生は、不妊治療に人生を捧げてきたという表現に相応しい方。その語り口は、朗々として、理路整然、漂う品格は、まるでNHKのアナウンサーのよう。「よく言われます」と笑う西村先生は、話をうかがう側の背筋も思わず伸びる、信頼を抱かずにはいられない、そんなお人柄のドクターでした。


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