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不妊治療をはじめる前に知っておきたい7つのこと

待つのではなく、赤ちゃんを迎えにいくと決めた二人へ

「もしかして不妊…!?」そんな思いが頭をよぎってから、実際に不妊治療施設の門をくぐるまでには、さまざまな葛藤があり、大きな決断が必要だったことと思います。ここでは、二人らしい道のりで赤ちゃんを迎えにいくための秘訣をお話しておきましょう。

そんな二人を、後押しするのが医療です。堂々と手を借りましょう

「他人(医療)の手を借りること=恥ずかしいこと」と感じてはいませんか? 本当に不妊治療を受けることは、恥じるべきことでしょうか? 待ちわびているのに、なかなかやってこない二人の赤ちゃんを、“その日が訪れるまで待ち続ける”という答えも、もちろんあるでしょう。ただ、お二人はさまざまある選択肢の中から、“夫婦手を携えて、ともに迎えにいく”という道を選ばれました。医療の役割は、そんなご夫婦の後方支援に過ぎないのです。どうか誇りを持って医療機関をご利用になってください。

どの夫婦も、不妊検査では見つけられない不妊原因を抱えている可能性があります

ここを読んでいる方の中には、基本的不妊検査では、夫婦どちらとも、これといった原因が見つからなかった方もいるかも知れませんね。ただ、それは“どこも悪いところがない”のではなく、“検査では見つけられないところに、何かしらできにくい問題があるのだ”と受け止めるべきでしょう。不妊検査で発見できる問題は、本当に決定的なものだけなのです。ですから、すでにいくつかの不妊原因を指摘されたご夫婦も、まだ見つかっていない原因があるかもしれないととらえておいたほうが、治療を進めていくうえでの選択を誤らないでしょう。

不妊治療は、不妊原因を根本から治す治療ではなく、問題を乗り越える道具

検査で見つかる不妊原因は、根本的な治療が難しいものが多く、逆に妊娠さえ望んでさえいなければ無治療で放置したとしても、健康を脅かす要因になるものは少ないのです。例えば、卵管が両側とも閉鎖しているという状況は、妊娠には非常に不利であっても、このことが暮らしの質を下げたり、寿命を縮めたりするものではありません。そのため不妊治療では、夫婦が抱える問題を正常に治すのではなく、治療中の周期だけ足りないものを補ったり、代替したり、過ぎたものを抑えたりして、妊娠しやすい状況に導きます。不妊治療は、二人の妊娠を妨げる問題を乗り越えるための道具なのです。医療の介入度によって3段階ある治療の、それぞれのイメージは、もっとも自然な妊娠に近いタイミング指導が踏み台、次の人工授精(AIH)がはしご、高度な生殖医療技術を用いる体外受精や顕微授精などのARTがはしご付消防自動車といったところでしょうか。

妊娠率の値だけでは治療方法を選べません。二人の価値観がからむ治療方針の選択

不妊治療には、“インフォームド・コンセント(説明と同意)”ではなく“インフォームド・チョイス(説明と選択)”が必要です。なぜなら、一般的な病気と違い、一番治癒の可能性の高い治療方法が、必ずしも治療を受ける側の第一選択になるとは限らないからです。不妊症を少しでも早く克服しようと思えば、二人の不妊原因によらず、妊娠率のもっとも高いARTを選択することになるでしょう。でも、単に排卵と夫婦生活のタイミングがずれているだけで、もっと負担の少ないタイミング指導でも十分妊娠されたかもしれない方々にとっては、ARTはオーバートリートメント(過剰治療)になってしまいます。二人の価値観に照らし合わせ、妊娠のリミットを意識しながら治療方法を選んでいくことになりますので、判断材料になる正しい知識は不可欠です。


不妊治療には、保険診療の領域もありますし、特定不妊治療助成制度もあります

“不妊治療=高い”というイメージがあって、不妊治療施設の敷居はますます高くなっているようですが、実際には基本的不妊検査やタイミング指導までの診療の多くは、健康保険が適用されています。また、体外受精や顕微授精などの完全自己負担で高額な費用がかかる治療に対しては、国と自治体が共同で行っている特定不妊治療費の助成制度がありますので、おすまいの自治体に詳細を確認してください。通常は、指定医療機関で受けたARTであれば、1回15万円、1年度あたり2回まで、通算5年間支給されます(夫婦合算の所得制限730万円)。

最初の病院選びが運命を分けてしまうこともあるので、どうか慎重に

不妊治療を行っているとアナウンスしている病院でも、その力の入れ方には差があります。お産が中心で、基本的不妊検査もそこそこにタイミング指導のみを漫然と何年も繰り返すようなところもあれば、ほとんどARTしか行っていないような施設もあります。ARTでなければ妊娠できないような重度の男性不妊や卵管性不妊の夫婦が、それとわからないままタイミング指導のみを続けていれば、それはいたずらに時間を浪費したことになってしまいます。ましてや奥さまが高齢で、この間に卵子の急激な質の低下が起こるようなことがあれば、悔やんでも悔やみきれません。きちんと治療方針を説明し、ご夫婦の希望を聞きつつ、納得してもらったうえで治療を進めてくれるような施設を選択しましょう。

2年一般不妊治療を受けると4、5割が妊娠しますが、それ以上は続けても増加しません

タイミング指導やAIHなどの一般不妊治療を続けた場合、2年間で4割〜5割の夫婦が妊娠するといわれています。はじめて不妊治療を受けるカップルが多い施設ほど、その割合は高くなります。ただし、2年以上、一般不妊治療を続けても、その累積妊娠率は変わりません。つまり、2年間で結果がでなければ、一般不妊治療での妊娠は難しいと考えてARTを検討されるほうが遠回りにはならないでしょう。

ステップアップ治療の進め方

できるだけ自然な方法で妊娠するために

不妊治療は、医療の介入度によって大きく3段階にわけることができます。より自然な妊娠に近い治療から順にstep1のタイミング指導、step2の人工授精(AIH)、そしてstep3の体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などのART(生殖補助医療技術)。ご夫婦にとって負担の少ない、より自然な治療段階から順に試していく方法を、“ステップアップ治療”といいます。ここでは、後悔しない不妊治療の階段の上り方を考えていきましょう。

治療の階段を上がるほど、妊娠率は上がりますが、負担も大きくなります

タイミング指導、AIH、ARTとステップアップ治療の段階を上るほど医療が介入するため妊娠率は上がっていきますが、その分、身体面、経済面、さらには精神面と負担も増えていきます。もっとも少ない負担で妊娠するためには、治療のステップを順に上がってみるよりほかはないのです。

基本的不妊検査で、治療のスタート地点を見極めます

不妊治療に力を入れている病院で一通りの基本的不妊検査の結果を受けることで、どの治療段階からならば、チャレンジ可能かどうかが見えてきます。例えば、step1のタイミング指導をスタートラインにするために必要な条件は、4つ。排卵があること、子宮と腟があること、卵管が少なくとも片側は通っていること、精子の濃度や運動率が基準値以上(WHOの指標もしくは施設ごとの基準)あること。

遠回りにならないよう、ステップアップの適正な時期は担当医から伝えられると思いますが、それに従うかどうかはご夫婦の意思です。決して、流されず納得して選んでくださいね。

ステップアップ治療=二人の抱える問題が、どの治療ならクリアできるかという検査

ステップアップ治療には、じっくり腰を据えて行う検査のような側面もあります。どの治療であれば、二人の妊娠を妨げる原因を乗り越えられるのか、医療の介入度を上げながら、数ヶ月〜数年かけて検査していると考えることもできるでしょう。タイミング指導の有効回数は、それまでの不妊期間にもよりますが6回〜12回程度、AIHは6回程度といわれています。

ARTの有効回数については、2002年に厚生労働省の研究班から出された指針では、採卵回数で示した場合、体外受精4回、顕微授精5回となっていましたが、最近では受精卵を凍結保存しておいて着床環境がベストの時期に移植する方法(凍結融解胚移植)がART治療の中心になってきていますので、採卵で示した有効回数は以前よりも少なくなっていると推測されます。

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